来る2017年8月23日に開催予定のマネバナトークライブ「お金と時間の賭け方」の登壇者の魅力を深堀するインタビュー企画第二弾。
今回は3人の子育てをしながらベンチャーの社長もこなし、メンバー150人を超えるオンラインサロンも運営されているという、超育メンな鳥井謙吾さんにお話を伺いました。
鳥井謙吾さんのプロフィール
イノベーションハック(株)代表取締役 鳥井謙吾
2009年にリクルートに入社、2011年に第一子が生まれたのを機に退職。社内ベンチャーでの学びを生かし、起業コンサルなどの活動を経て、現在はITベンチャーを経営しながら、起業・独立をしたい人を支援するオンラインサロン「トリイくんのマーケティング実践大学」で150名を超えるメンバーと働き方改革にチャレンジ。そんな中、毎日17時帰りで家事育児もこなし、3人の子育てにも手を抜かず、秋に生まれる第4子を楽しみにしているという事で「現代の超育メン」と呼び声も高い。
インタビューしたのはこの人!
マネバナカレッジ主催 高田洋平
何も教えないお金の大学「マネバナカレッジ」代表。
恋バナのようにマネバナ、お金の話をする文化を広めることで、お金に縛られず自分らしく生きる人が活躍できる社会のために活動中。第一線で活躍する様々な人のお金観や生き方を深掘りし、広めることで、多くの人の人生の可能性を広げることに貢献している。
かわさきFM「マネバナラボ」メインMC
就活で社会に絶望。起業の前に経験を積もうと入ったリクルートで営業成績最下位!?サラリーマンに向いてないと悟った新入社員時代。
現在ベンチャーの社長やオンラインサロンの運営など様々な仕事をされていますが、新卒では大手企業に就職されていますよね?もともと独立、起業しようと思っていたのでしょうか? 普通に就職活動されてたんですか?
大学3回生の時にはみんなと同じように就活していたんですが、体育会だったんで部活の先輩のコネとか紹介も多くて、それこそメガバンクにサントリーや電通なんて大手ばっかりたくさん受けてました。でも、部活ばっかりしていたら単位が足りなくて、早めに留年が決まったんで、一度就活を辞めちゃったんです。その時に起業って選択肢もありかなとうっすら思い始めました。
中途半端になった就活だったんですが、選考に行ってもどこも全然つまらなかったんで、1年後の2度目の就活は5社くらいしか受けなかったんです。その中でもOBから猛烈にリクルートされてた超大手の銀行、緑色のところなんですが(笑) 結局最終面接までほぼ顔パスぐらいでいけて。で、起業も考えてるって言ったら、「起業ってお金かかるから銀行はすごいいい勉強になるよ」って言われて丸め込まれて、確かに起業すると銀行に全部お金借りるから、経験積めるじゃないかと当時納得して、そんな感じで「来てくれ来てくれ来てくれ」って言われて最終面接まできたのに、最終面接の人事部長に「君は銀行に向いてない」って言われて、まさか落ちると思ってなかったんで、社会に絶望しました。(笑)
他の企業はすでに辞退したりしてたんですが、僕の事割とちゃんと理解してくれてる友人が「リクルートって会社向いてると思う」って言ってくれたのがずっとひっかかってて、選択肢としてかろうじて1社だけ残してたんですよね。
リクルートのDNAって本を創業者の江副さんが出してて、それ読んでカッコいいなと思っていたんですが、そもそもリクルートって会社で働く人は、独立願望がある人も多くて、若いうちに経験積めるし、そういう勢いある人材を集めているので、やっぱり感覚的に合ってたのか、割ととんとん拍子に就職が決まりました。
リクルートに入られてから苦労したことはありましたか?
苦労というか、僕はすごく合理主義なんで、会社っぽい不合理なこととか、納得いかないとやらないんです。新人研修の新規獲得営業キャンペーンとか、最終日まで0ポイントで最下位ですよ。この辺の詳細は鉄板ネタなのでライブ当日詳しくお話ししますが、とにかく色んな面でサラリーマン向いてないと思う事が多かったです。
別に上司や会社に愚痴はなかったですよ。数字にこだわるところとか、与えられた営業リストなんて無視して自分で作ればいいとか、社員もみんな生産的でお祭り好きな人が多いとか、社風は好きでしたし。特に社内ベンチャーに出向した時は、社長の間近で経営手腕を見れたのですごく勉強になりましたね。
サラリーマンから専業主夫、アルバイトを経て起業。子育てをしながらベンチャー社長もしてるのに実はヒモってどういう事!?
退職から起業への以降はスムーズでしたか?経験を積んで、計画を立てて、いよいよって独立した感じでしょうか?
リクルートは競合にあたらなければ副業がOKな会社なので、まずは副業をしようと思いました。当時は部活の名残で体を鍛えるのが好きだったので、ピラティスっていうちょっとヨガに似てるんですけど、トレーニングの教室を運営しようと思って資格取りに行ったのが一番最初です。
25歳で結婚して、すぐ子どもができて、子どもが1歳になった26歳の時、奥さんが育休から復帰して、そのタイミングで僕が時短を取って5時帰りの生活になりました。その間オンライン講師やネットワークビジネス、イベント関係まで色んなビジネスに手を出してましたね。今のサラリーマンの収入を副業でちゃんと達成して、確保できたら辞めてもいいよ、という約束を奥さんとしてたんですけど、全然守らずに、ある日突然「やっぱ辞めるわ。上司に勢いで辞めますって言っちゃった。」って報告しました。めちゃくちゃ怒られましたが説得しました。
普通はサラリーマンを辞めるという決断、結構怖いと思うんですが、不安はなかったんですか?辞めたいっていうのが強かったんでしょうか?
辞めたいっていうか、僕いつもそうなんですけど、常に人材最適化ってイメージで動いてるんですよ。例えば、奥さんの手相、仕事線やばいんですよ。どの占い師に見せても、「あなた仕事一生やりなさい」って言われるくらい、仕事線ズバって入ってるんですよ。お金の線もズバーン!って入ってて。「一生仕事に困んない」って毎回言われるんですよ。
で、僕も一緒に手相見てもらうと「あなたサラリーマン向いてないわね。仕事大成しないわね。」みたいなことばっかり言われるんですよ。僕仕事線も金運線も一向に出てこないんですよ。そのくらい奥さんは仕事に向いていて、僕はお金に縁がなかった(笑)
しかも奥さんは育休中にすごくストレスを溜めてて、基本的にケンカしない夫婦なんですけど、その時期は意味もなくイライラしていました。そのタイミングで僕がリクルートのときにお世話になってた先輩が、僕みたいな感じで奥さんに新生児任せて自分は仕事に打ち込んでたら、奥さんが育児ノイローゼになっちゃって、結局離婚したんですよ。それで「うちもヤバいんじゃないかな?」って思って。僕が育児したほうがうまくいくんじゃないかと思って時短にして、奥さんをフルタイムで復帰させたらすごくイキイキしだしたので、世の中と夫婦逆転してもいいかって思ったのが、こういう働き方の始まりですね。
結局その半年後くらいに辞めて、独立したての半年は何もやってなかったんですよ。自分が家事育児して、奥さんの収入でやっていけるので不安はなかったです。世間一般で言う専業主夫ですね。漫画読んだりしてたんですが、暇になっちゃって、体裁も悪いし、奥さんにもさすがに睨まれるので、アルバイトをしながら、初年度はコンサルティングやりますみたいな感じで、起業したい人とかに自分がリクルートで経験して来たこととか、自分が教えられることを細々と教えたりしていました。
最初は何ヶ月で何万とかっていうレベルからやってたんですけど、そこそこお客さん取れるようになってきて、徐々に売り上げ上がってきたところで、全部使っちゃうんですよ。次のやりたい事の準備とかに。今も、ピンで食おうと思ったら年収3000万くらい稼げるんですけど、奥さんに養ってもらってるんです。世間でいう「ヒモ」なんです。その辺は面白いと思うので、トークライブでお話ししようと思います。(笑)
今回のトークライブ相手ののぶきさんは独身で、思いのままに世界を旅しておられる方じゃないですか。鳥井さんとは対照的な生き方だと思うんですが、そういう自由な生き方に憧れたりはしませんか?
強烈に羨ましいですよ。全く違う生き方じゃないですか、本当に。僕なんか周りのみんなは海外旅行行ったとか、奥さんとフレンチ食べに行きましたとか、SNSで山程見てきたんですよ。社会人2年目って一番自分のためにお金使えるタイミングで子どもが生まれて、そこから3人、今年はもうじき4人目生まれるし、6年間ずっと新生児育てて、万回オムツ替えてるわけじゃないですか、もはや(笑)
でも僕は自分のために時間使う事に魅力を感じないタイプで、奥さんや子どもと一緒に何かしてる方が幸せなんです。みなさんの想像以上に子どもが大好きで、何より子どもを優先しています。熱が出たら保育園に飛んでいくし、予防接種も定期検診も行きます。子どものために仕事のアポイントをキャンセルするなんて日常茶飯事です。そこは世の中の働くママさん達と一緒です。
人間は誰でも何かを選択したら同時に何かを捨てて生きている訳じゃないですか。自分が選んだ道なので羨ましくはあるけど、後悔はないですね。
社会で言われている「個人の時代」はもう古い!?これからの時代を生き抜くなら、自分を生かす環境を作っていくのが大事。
個人の実力が求められる時代、これから勉強して実力をつけようと思っている人や副業からやってみようという人も多いと思いますが、まずは何から始めたらいいですか?
そこは実は時代の潮目が来ていると思っていて、僕はオンライン駆使して仕事しまくってるし、ベンチャーやりながらライフワークもやりながら子育てもやってるんで、働き方というかキャリアの作り方というか今後の先が結構見えるんですけど、個人の時代がもう終わりそうになってます。
ちょっと待ってください!一人一人が稼ぐ力を持って、企業に依存しちゃダメだみたいな社会の流れじゃないかと思ってたんですけど。
それはもう古いんですよ。本当に最先端で起きてることは、個人の時代がもう終わってチームの時代になってると思います。結局人間って社会的生き物なんで。外的環境が変わっていくことと、人間の習性が変わらないことを冷静に見る必要があって、どれだけテクノロジーが進んでも、承認欲求があったり自己実現をしようとしたり、社会的に人間同士で関わって、コミュニケーションを取りながら人間全体を増やす活動を育んでいたりっていう部分は変わらない。
人とのつながりを重要視してるっていうのは人間の習性なんですよね。社会的な弱い生き物だから、そういう風にしていかないと生きていけないからなんですけど。本当に個人で生きていけるやつなんていないですよ。その辺の詳しい話についてはトークライブでお話ししたいと思います。
まとめ
8月23日のトークライブでは、プロギャンブラーのぶき氏と育メン起業家の鳥井氏のさらに濃いお話を伺っていきます。
個人の実力で現代社会を生き抜くという共通点はありながらも、全く違うライフスタイルのお二人!ぜひ会場に熱いトークを聞きに来てください!
構成・文:じゃん 取材:大久保 写真:伊藤