おはこんばんにちは
がくちょうです。
ラジオや村の中の生放送では伝えましたが、3月の「初等科」の追加に向けて、先駆けて村の中で「問題解決能力を磨く」というゴールのクエストを追加していきます。
なぜ問題解決なのか?
現在、ファーストペンギン村では「経済的自立と精神的自律」というゴールを中心にクエスト設計してあります。
ただ、こちらの記事↓でも説明していますが
私は「特定の技能習得を目的にしたスクール」を作るのではなく、常に新しい出会いと刺激が新陳代謝していき、所属しているだけで人生そのものが学びに変わっていくような場所を作ろうと思ってファーストペンギン村を運営しています。
その中で、今の大人にとって最も優先度が高いのが「経済的自立と精神的自律」だという考えで、現在のゴール設定になっているという感じ。
他人に人生をゆだねない、自分の考えをしっかり持って、周りに伝えられるようになる。それが精神的自律の意味です。
そして、経済的自立は、雇用契約以外で収入を得られるようになること。
ただ、当然ですがこの2つのゴールだけで人生の学びが終わるわけではありません。
そこで、次なる科目に「問題解決能力」というテーマを設定しました。
初等科では「経済的自立と精神的自律」というテーマは最優先事項とは言い難いので、そこに合わせて「小学生や中学生の頃に、どういった能力や考え方を身に着けるべきかな」ということでしばらく考えていました。
結論として、問題解決能力になったという流れです。
問題解決能力を磨くために必要な3つの経験
問題解決能力を磨いていくために、具体的に下記の3つの体験をしてもらうイメージで設計していきます。
1:社会は問題で山積みだということを「知る」
まず、そもそもこの社会は問題で山積みなんだということを知る経験が重要だと考えています。
問題とは、「あると思って視る」と見えるものです。
どんな場所にも問題があるんだということを「経験から知っている」人は、どこに行っても重要な問題を見つけることができます。
無知の知、という言葉がありますが、人間は「自分が何も知らないのではないか」という前提に立つことで新しい発見をしていける生き物です。
我々は「大気」に常に触れ続けていますが、「何もないように見えるこの透明な空間にも、何かあるのではないか」という視点で見たときにはじめて「大気を発見」できるのです。
「問題が視える目」を持っている人間には、今の日本は問題で山積みに見えているでしょう。しかし、その目を持っていない人には、とてもハッピーで過ごしやすい、なんの問題もない国に見えているかもしれません。
社会は問題であふれている、身の回りにもたくさんの解決するべき問題がある、そういうことを「体験を通じて心から理解する」ことで、「問題が視える目」を養っていきます。
2:問題は必ず解決できるということを「信じる」
次に、問題というものは必ず解決していけるんだということを、感覚的に「信じられる」ようになることです。
問題を自覚したときに、人間はいくつかの行動パターンに分かれます。
解決しようともしない人、だれかに解決してほしいと願う人、自分で解決しようとする人、などです。
私は、それらの行動パターンの差は「何を信じているか」という前提によって決まると思っています。
そして、迷わず自分で問題を解決しようとする人は「問題は自分で解決することができるんだ」という前提を持っている人だと考えています。
問題に地道に取り組み、「自分で解決することができるんだ」という成功体験を積み重ねることによって、「そもそも問題は自分の小さな積み重ねで必ず解決していけるんだ」という「解決を信じる力」を養うことができます。
政治家が悪いから日本が良くならない、経営者が悪いから会社が良くならない、先生が悪いから学校が良くならない、世界が悪いから人生が良くならない。
そういう思考ではなく、
「どんな大きな問題でも、自分の1歩から始まる解決の道があるんだ」
と信じられる人間を育てていきます。
人生にどんな問題が降り注いでも、絶望することなく前進していける力は、本人を救うことにもなります。そして、それは社会をより良くすることに繋がっていくでしょう。
3:問題を解決することは「楽しい」と感じてもらう
最後に、問題を解決することは辛いことではなく、楽しいことだと感じてもらうことです。
私は、常に成長のエンジンは「楽しい」という感情だと考えています。
問題を解決する能力を磨く、とひとことで言っても、それは壮大な旅路でとても一朝一夕で終わるようなものではありません。
常に知識を学び続け、問題の解決に取り組み続けることで、人生を通じて磨き続けることになるでしょう。
当たり前ですが、ファーストペンギン村の中で「完璧な問題解決能力」を身に着けることはできません。
そこで重要なのは、「問題を解決するのは楽しいことなんだ」という感覚を身に着けてもらうことなのです。
人間は、楽しければ自分で進んでやるようになります。
「問題解決能力は大事だ」「将来に役に立つ」「次の時代に必要な能力だ」といくら聞かされても、つらくて面倒なことを人は率先して続けたりしません。
内的動機、成長のエンジンになるのは「楽しい」という感情です。
問題を解決することが楽しい、と感じるような体験をしてもらうことで、今後の人生を通じて問題解決に自分から取り組んでいけるような人材を育てていきます。
まとめると、
- 「社会も自分の周りも問題で山積みなんだ」ということを体験から知ることで「問題を視る目」を養う
- 「問題は自分の一歩から必ず解決していけるんだ」ということを体験から知ることで「問題解決を信じる心」を養う
- 「問題を解決することは楽しいんだ」ということを経験から知ることで「進んで問題を解決していく姿勢」を養う
というイメージです。
良い目を持ち、正しい心と姿勢で取り組めば、技術は必ず身についていくものです。
発展的な学問的技術の習得はその後の系統学習に任せて、私は今の日本の教育に圧倒的に足りていない「経験学習」の分野をオンラインで普及していこうと思います。
具体的なクエスト案
ゴールと必要な体験を整理しましたので、具体的にそれらの体験を通過できるようなクエストを設計していきます。
問題が視える目を養う
- 問題が無いように見える場所にも、実は問題があったと気づく(深く考える)
- 自分にとっては問題が無いように見える場所も、立場を変えると問題があることに気づく(類推)
- 今は問題が起こっていない場所も、将来的に問題が発生する可能性があることを知る(未来軸)
- 問題が発生するときによくある構造パターンを知る(構造化)
- 身近なところにも問題がたくさん発生していると知る(近さ)
- 問題が自覚されていない場所でも、本来の目的を達成できなくなっている可能性があることを知る(目的思考)
問題解決を信じる心を養う
- 問題解決を信じて取り組んでいる人の話を聞く(生の事例)
- 身近な人の問題を解決する(成功体験)
- 問題の連鎖構造を分解する(構造分解)
- 問題を予防するルールを作ってみる(ルール)
- 問題解決に成功した事例を調べる(事例)
自分から問題に取り組む姿勢を養う
- 問題を解決して身近な人にありがとうと言われる
- 問題を解決して見知らぬ人にありがとうと言われる
- 問題を解決して感謝されている人を見る
- 問題を解決して他人からすごいと言われる
クエスト事例
完全に草案ですが、
・身近な人が抱えている「問題」を推察して文章化する(ただし本人に聞いてはいけない。観察から推察する。)
・ZOOM会を開いてお互いの職場が抱える問題について話し合う
・ZOOM会を開いてお互いの業界が抱える問題について話し合う
・村の中で問題の解決のために活動している人にインタビューする
・村の中で誰かの問題を解決するためのアドバイスを行う
・用意された小さな問題を解決して発表する
・社会に存在する問題の解決方法について自分なりの解決方法を考え発表する
・自分が過去に悩んでいたことと、その時にどんな問題があってどうやって解決したのかを発表する
・身の回りの効率が悪いことや不合理を見つけて、なぜそれらが改善されていないのかという真因を発見して発表する
などがあり得るかもしれません。
そのあたり、いろいろと詰めていこうと思っています。