がくちょうです。
私は
人生は変えられる。いつからでも。
というメッセージとビジョンを掲げて、人材育成サービスをいくつか運営しています。
このコラムでは、
「自分を変えたい、生き方を変えたい。でもうまく思い通りに変わっていけなくて悩んでいる」
という方に向けて、私の10年以上の育成経験から、成長のヒントになる話を紹介していきます。
自分なんて人に与えられるものは無い。の罠
「働く」は「傍を楽にする」だと表現されることがあります。
まさにこれは本質を突いていて、私も
ビジネスとは他者への貢献活動である
という風に捉えて、運営するビジネススクールでは「貢献ミッション」という科目を設けて参加者に貢献を促したりしています。
ただ、他者に貢献しよう!という風に考えてしまうと、とたんに
自分なんて人に与えられるものは持っていないよ・・・
と落ち込んだり、行き詰まりを感じてしまう人がいます。
周りから見たらとても素敵でたくさんのスキルや知恵を持っている人でも、
- 自分には特別な才能や価値なんて無いんだ。
- でも、ビジネスをやるためには特別でお金になるスキルや知識が必要だ。
- だから自分は、誰かに貢献するなんてできっこない。
みたいな考えや思い込みに支配されて、身動きが取れなくなっている。
あなたの周りにも、そんな人がいませんか?
そんな状況に陥っている人に、今の私がお勧めしているのが
「誰かと一緒に勉強していく場所を創る」
という処方箋です。
誰かと一緒に始めた方が成長していけるのは、なぜ?
私が運営する、500名以上が在籍するオンラインのビジネススクールでは、
プロジェクト学習
という学習方法を採用しています。
「自分のやりたいことを見つけよう!」「インスタグラムを活用できるようになろう!」などの「特定の課題」に対して、3名以上のグループを結成して助け合いながら達成を目指すという学習方法なのですが、不思議なことに
誰かと一緒に勉強する場所を定期的に作るだけで、なぜかビジネスの成果も出始める
という傾向があります。
そして、逆に
「自分はまだまだだ。まずは1人で勉強して、1人で成果を出してから、人に役立てるようになったら誰かと関わろう」
という風に、自分1人の力で成長してから、他者に貢献していこうと考える人ほど、ビジネスの成果が出るのが遅くなるのです。
一見すると、「誰かと一緒に勉強する」と「ビジネスで成果が出る」のは関係ないように感じます。
不思議な話ですよね?
なぜなのでしょうか。
私はこの現象を、
ピラミッド思考からの脱却
という風に表現しています。
人は無意識にピラミッド型で考えてしまう
人間のモチベーションを高める方法として、非常に簡単で強力なのが
序列を作って競争させる
というやり方です。
この方法は、非常に有効でよく働くため、あらゆる教育システムやゲームで採用されています。
やり方は非常に簡単で、
- 順位
- ラベル
の2つを用意して、
- あなたは今、全国模試でランキング100位で、偏差値は65です
- あなたは今、全国個人ランキング1500位で、ゴールドランクです
などのように、参加者を数字で順位付けしつつ、大雑把なラベルで分類していくことで、目標を明確にし、競争意識を強め、モチベーションを高めていきます。
あらゆる場所でこのシステムが採用されているため、ビジネスや仕事の現場でもほとんどの人が無意識に
「ピラミッドの中で自分はどの辺にいるだろう」
「ピラミッドで上に登っていくことが必要でありゴールでもある」
「ピラミッドで上にいくほど、下にいる人に貢献できるようになる」
という風に思い込んでしまいます。
しかし、この考え方だと何かを新しく始めた時は常にピラミッドの一番底辺からスタートすることになってしまい、いつまでも他者に貢献する=ビジネスをスタートすることができなくなります。
つまり、
- 今までの経験で、ビジネスを始める際も無意識にピラミッド型の思考になってしまっており
- ピラミッドの上に登らないと他者に貢献なんてできない!という気持ちと
- ピラミッドの上に登るには経験を積む=他者に貢献しなくてはいけない!という状況が矛盾を起こしてしまっている
というイメージです。
共に成長しようとすると気づけること
そこで有効なのが
誰かと一緒に勉強していく場所を作る
という行為になるわけです。
具体的には、数名の自分と同じような目標を持っている人と、定期的に集まって相談し合ったり、進捗を発表しあうような場所を創ります。
例えば
- 一緒に痩せよう!
- 一緒に筋肉をつけよう!
- 一緒にSNSのフォロワーを増やそう!
- 一緒にブログで稼ごう!
- 一緒に夫婦関係を良くしていくための努力をしよう!
などです。
こういった場所を創って、お互いに助け合うという経験を繰り返すと、
ピラミッドの上に登らなくても、他者に貢献はできる
という事に気づけるようになります。
言い換えると、
ピラミッド型の思考というのは無意識に同業者や競合に目を向けた考え方
です。
「自分は他者に貢献できるものはない、他人に与えられるものなんてない」という考えは、無意識に
- 自分には(他の同業者や競合と比べて)特別な才能や価値なんて無いんだ。
- でも、ビジネスをやるためには(他の同業者や競合よりも)特別でお金になるスキルや知識が必要だ。
- だから自分は、(他の同業者や競合に打ち勝ってまで)誰かに貢献するなんてできっこない。
という感じで、目に見えない競合と自分を比較している結果に起こっています。
しかし、実際にはビジネスは互いに補い合うことで成立しています。
ピラミッドの上にいくから価値が出るのではなく、目の前で頑張っている人の足りていない部分を自分が一部補完するから価値が出るのです。
誰かと一緒に、目標に向けて成長する場所を創ると、
- 自分は自然にできるのに、他の人はうまくできないこと
- 自分は簡単に乗り越えたのに、他の人が詰まってしまった部分
などの「差」が見えるようになります。
こうやって、「差」を見つけて、それを「補う提案」をすることで、自然と他者に貢献していく経験を積むことができるのです。
もし、あなたが「自分には誰かに貢献したり、与えたりできるものはない」という罠にハマっているなら、質問があります。
あなたには価値はない、あなたは人に何も与えることはできない、とたくさんの人に実際に言われましたか?
もし言われていないのなら、なぜそう思い込んでしまったのでしょう?あなたは何と自分を比べているのでしょうか?
一人で努力して、一人で成長しようとしていませんか?互いに悩みを打ち明け、補完し合えるような関係と場所を創れていますか?
あなたが不完全なように、この世の誰もが不完全で足りない部分があります。あなたが補ってもらっていることや、補ってあげられることは何でしょう?どうすればそれを見つめられるようになるでしょう?
是非、一度考えてみてください。
それではまた、お話しましょう。
がくちょうでした。