がくちょうです。
私は
人生は変えられる。いつからでも。
というメッセージとビジョンを掲げて、人材育成サービスをいくつか運営しています。
このコラムでは、
「自分を変えたい、生き方を変えたい。でもうまく思い通りに変わっていけなくて悩んでいる」
という方に向けて、私の10年以上の育成経験から、成長のヒントになる話を紹介していきます。
がんばりたいけど、がんばれない。の罠
よく言われる言葉ですが、
1万人が人生を変える方法を学んでも、実際に始めるのは1%の100人、そこから続けられるのはさらに1%の1人だけ
という風な格言があります。
あなたも聞いたことがあるかもしれません。
育成の現場でも、
がんばりたい!がんばるんだ!という気持ちがあるのに、なぜか行動に移していけない
という人は思ったよりもたくさん存在します。
私も育成経験が少なかったころ、こういった生徒や学習者に出会って
「どういうこと?? 彼らは嘘を言ってるのか? なんで言動が不一致するんだろう???」
という風に頭の中が「?」だらけになったことがあります。
- 変わりたい、変わるんだ。
- そのために、スクールに入ったり、コーチングやコンサルティングを受けた。
- どんな風に行動すれば良いかも、教えてもらった。
- でも、なぜか行動に移せない。
- そして、行動できない理由を、自分でもうまく言葉にできない。
- 変わりたい気持ちに嘘はないのに、うまく行動できない自分が嫌になる。
もしかしたらあなたも、一度はそういう状況にハマったことがあるかもしれません。
そんな状況に陥っている人に、今の私がお勧めしているのが
「周りへの感謝を書き留め、そして伝えていく」
という処方箋です。
感謝する人ほど成長していけるのは、なぜ?
私が運営する、500名以上が在籍するオンラインのビジネススクールでは、科目の1つとして
周りの人への感謝の気持ちを書き出す
という課題があります。
「感謝ミッション」という名前の課題で、ゲーム感覚で感謝を書いてポイントを獲得していくのですが、不思議なことに
感謝する回数が多い人ほど、たくさん行動してたくさん現実が変わっていく
という傾向があります。
そして、逆に
「自分はまだまだ足りていない。もっともっと欲しい。」
という風に、欠乏や欲求をたくさん口に出す人ほど、先ほどの「言動不一致」の状態になりやすく、うまく自分を変えていけないのです。
不思議な話ですよね?
なぜなのでしょうか。
私はこの現象を、
欠乏が認知をゆがませている
という風に表現しています。
人は無意識に2つを持っている
今の現状に、本当に100%不満しかないという人はそこまで多くありません。
実際には、ほとんどの人が
①何かを既に持っていて
②その上で、さらに求めているものがある
という2つを無意識に持っている状況なのです。
しかし、
「自分は足りない。まだまだ足りない。足りないものばかりだ。」
というような欠乏や焦燥に支配された心になってしまうと、既に持っているものが見えなくなりがちです。
で、その欠乏を満たすために
「だから変化が必要だ。変わりたい。行動するんだ。」
という思考になっているのですが、実際には人間の脳は非常に優秀で、
変化した時に①の持っているものも失ってしまう
という事実を冷静に認識しています。
つまり、
- 脳は無意識レベルで①を失いたくなくてブレーキをかけるのに
- 意識は欠乏に支配されてしまい、①を認識できなくなっているので
- 結果として自分でも説明できない「がんばりたいのに、がんばれない」という状況が出来上がる
というイメージです。
感謝は認知を正確にする効果がある
そこで有効なのが
感謝を書き出す
という行為になるわけです。
感謝は、言ってみれば自分が持っているものを再認識する行為です。
感謝するという行為を通じて、自分が持っているものを正確に認知し、
「自分は既にたくさん満たされている、たくさんのものを持っている。それでも、それを一部失ってでも、変えたい部分があるんだ。」
という風に、正確に自分の願望を認知できるようになると、スイッチが入ったように人は行動的になっていきます。
たいていの場合、このように感謝を通じて正確に自分の願望を認知できるようになった人は、バカみたいな大きなものを望んだり、根拠のない大きな数字を目標にしたりしなくなります。
よく、焦燥や欠乏を煽って、生徒に大きな目標を無理やり設定させるような起業塾がありますが、そういうところに所属する人は
- 目標はまず月収100万
- 100万が達成できたら300万
- 次は年収1億
などのように、心のこもっていない売り上げ目標を「まるで言わされている」かのように掲げて、現実と理想のギャップで心を病んでいたりします。
私が運営するファーストペンギン村という場所では、感謝ミッションに取り組んでもらった結果、参加者が
- 500円でいいからお金を払っていただく経験をする
- 自分の家族との時間を大切にできるようになる
- 自分と違う働き方の友人をたくさん作って刺激を受ける
- まずは目の前の人を喜ばせられるようになりたい
などの、本当に心のこもった、真実味のある願望を口にするようになりました。
もし、あなたが「がんばりたいけど、がんばれない罠」にハマっているなら、質問があります。
欠乏と焦燥に支配されて、本心から望んでいない「他人が創った目標」を追いかけていませんか?
あなたの本当の願望を見えなくするような、焦燥や欠乏ばかり強めてくる人が、周りにたくさんいませんか?
本当に、隣のあの人と、ツイッターで見るあの人と、あなたは同じ目標を目指すべきなのですか?
あなたが、既に持っているものは何ですか?どうすれば、あなたが持っているものを見つめ直せるでしょう?
是非、一度考えてみてください。
それではまた、お話しましょう。
がくちょうでした。