新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、皆さん大丈夫ですか?
こんにちは!
編集ライターのほりゅちゅこです
今回、5人の子供を育てながら起業されている鳥井さん(通称:がくちょう)のラジオで、
「なぜ人はピンチになるとトイレットペーパーを買い占めるのか」
というお話がありました。
とても興味深い内容だったので記事にしてみました。
- トイレットペーパーを買い占める心理を知りたい
- 食料品が品薄になったり、デマが回ってきたりして不安・・・
なんて人は、ぜひ読んでみてください。
パニックになると、いつの時代もトイレットペーパーがなくなる
朝、娘と散歩していたら、薬局に人が押し寄せていました。本当に普通の小さな薬局なんですけど、シャッターが開く前に100人くらい並んでたんです。一瞬、目を疑いましたね。何だこれは!?と。でも、次の瞬間に理解しました。
マスクとティッシュとトイレットペーパー目当てだなと。
娘も「普段通る道でこんなの見たことない!」って笑っちゃってました。「ちょっと面白いから見ていこうか」って言って見ていたんです。並んでいる人は、50、60代以上の高齢な方が多かったですね。
たぶん購入数の制限があったと思うんですけど、順番に全員マスクとティッシュとトイレットペーパーを1セットずつ買ってました。僕はオイルショックを経験してないですが、オイルショックの時もトイレットペーパーが店頭から消えたでしょう。
毎回「トイレットペーパーがなくなる」って言い出す人、誰なんでしょうね。トイレットペーパーが最も注意喚起しやすいっていうのも面白い話ですよね。
その時、娘に「トイレットペーパーもティッシュも、使い終わったら捨てるような貴重でも何でもないものでしょ。でも、ああやって行列ができているよね。何でだと思う?」っていう話をしたんです。
実は、モノの価値はコントロールされている・・・!
その答えは、需給バランスです。経済の基本は、需給バランスなんですよ。トイレットペーパーの供給が少なくて需要が多い場合、人が殺到するという話です。
僕はいつも「広告は信じるな」と言っていますが、娘に広告の話もしました。皆さんにもお伝えしておくと、経済を回しているのは広告なんです。広告が死んだら、経済が死んでしまうんです。
なぜかというと、広告が価格を上げているからです。広告によって需要が増えると、モノの価値が上がるんですね。つまり、価値というのは相対的なものなんですよ。
反対に、絶対的なものの例としては、数字の1ですね。これは絶対的な存在ですよね。例えば、「○○君は運動ができるから体育は5」。これは絶対評価です。でも、モノの価値というのは、相互のバランスや力関係、周りとの関係性によって価値が決まっていくわけです。絶対的に価値があるわけじゃないんです。言い換えると、価値を操作することができるわけです。
だから、広告を打つことによって「みんながほしがっているよ」「みんなが今これをやっているよ」というふうに誘導することで、ほしがる人が増えます。多くの人がほしがるようになった結果、需要が供給を一時的に上回り、価値が上がるというわけです。
今回のトイレットペーパー買い占め騒動には、モノの価値は容易に操作できるという話が凝縮されています。普段は、広告会社が人為的にモノの価値を上げているわけですよ。モノの価値をコントロールしてると言っていいでしょう。
でも、誰もモノをほしがらなくなったら、経済はここまで発達していないし、むしろ経済が死んでしまいます。資本主義と広告は、ものすごく密接に関連していて、一体化していると言っていいでしょう。夫婦みたいなものです。まず資本主義と広告があって、広告が資本主義を回して、資本主義が回ると広告が回っていく、という二軸の構図です。
僕はリクルートで働いていた時も広告関係の仕事をしていましたし、今もマーケティングの仕事をやっているので、そんなふうにとらえています。「モノの価値をわざとつり上げてコントロールしているのが広告なんだよ。だから広告を信じちゃダメだよ」という話を娘にしました。
人が殺到するトイレットペーパーと、殺到しないトイレットペーパーの違いは?
そして、この話には続きがあります。薬局に並んでいた人は、全員「売り切れる前に買えた」って言ってホクホクして去っていきました。「もう飽きたから帰ろう」と言って家に帰ることにしたんですが、その薬局から歩いて1、2分もかからないところにもう一つ薬局があるんです。その薬局の外の陳列棚にトイレットペーパーとティッシュが普通に山積みになっていました。「いや、めっちゃあるじゃん!」と笑ってしまいました。
つまり、人間というのは希少性で動くものなんです。「本日入荷します」と聞いて、「入荷するから行かなくちゃ!」「オープンと同時になくなるらしい」「なくなる前に買わないと!」という心理になります。人間の習性を勉強すると本当に不思議だな、と僕は思います。