こんばんは
がくちょうです。
もう読みましたか?話題のこの本
ライフスパンって本なんですが、話題になってたのでタイトルで即買いしました。
私はこういうのが大好きで、大学時代もガチスポーツ勢で全国大会とか出てたので筋トレや体の構造についてはかなり調べてましたし、会社員時代に副業で整体やピラティスのスクールに通ったり、生理学を勉強したりしていたくらいです。
で、「老いなき世界」と来ました。
これはもう読むしかねぇ!
と勇んだものの、なんとこの本、読了までの目安時間
13時間25分
ですってよ!
ということでそんな時間ねえよ!でも内容知りたいよ!
かいつまんで誰か教えてくれよ!
というあなたのために、私が整理しておきました。
イカどうぞ。
はじめに
まずはじめに、という序章があります。
序章をまとめると
- 著者は祖母や母の晩年や死の間際を目撃して、「死って思ってるより辛いよな」って感じた
- そんな体験+根っからの研究肌だった著者は「人はなぜ老化するのか」を追求してきた
- 現代って平均寿命は延びてるけど、健康寿命はそうでもないよね
- さらに言うと、最大寿命はずっと延びてないよね
- 今、世界の最先端科学の現場では、120歳まで健康に生きられるのが当たり前の世界が見えてきてるんだよ
という感じ。
著者は「ライト兄弟が飛ぶまで、人間が空を飛ぶなんて誰も信じなかったけど、エイジングに関しても同じところに来てる」と説明してます。
既にめちゃくちゃ面白い。
第一章:老化の唯一の原因に迫る
本編に入ります。
第一章をまとめると
- 40億年前の地球で分子が結合してRNAになり、生存と複製を始めて「地球初の生物」が誕生した
- RNAは原始の地球の厳しい環境に適応するために、著者が「サバイバル回路」と呼ぶ「生き残るための遺伝子メカニズム」を発達させた
- サバイバル回路は遺伝子Aと遺伝子Bの2つで構成されている。外部環境が厳しいときには遺伝子Aが起動し、細胞の複製を停止させる。環境が複製に適した状況になった時には遺伝子Bが起動し、特定のタンパク質を作って遺伝子Aの働きを抑えることで、細胞の複製停止機能が解除される。結果として複製していく。これがサバイバル回路の概要である。
- マグナ・スペルステスという特異個体は、このサバイバル回路をさらに進化させ、遺伝子Bが「DNAの修復」も行うようになった。結果として、「DNAが壊れる⇒遺伝子Bが起動して特定タンパク質によってDNAを修復する⇒遺伝子Aから特定タンパク質が分離したことで、遺伝子Aの働きを抑えなくなる⇒遺伝子Aが起動し、細胞の複製は停止される」という因果関係が成立するようになった。
- この仕組みによって、マグナ・スペルステスは「環境が厳しくてDNAが壊れると、遺伝子Bの起動⇒タンパク質によるDNAの修復⇒同時に遺伝子Aも起動⇒細胞の複製を停止してゲノムの損傷を阻止」という素晴らしい生命維持装置を獲得した。
- このマグナ・スペルステスの「進化型サバイバル回路」が我々の体にも、そして全ての生物の中にも存在している。そして、この回路こそが老化の唯一の原因なのである。
- なぜ人は老いるのか、については根源的な理由を説明できる統合理論は無かった。これまでたくさんの研究はされてきたが。しかし著者はそれを突き止めた可能性が高い。それは一言で言えば「老化とはエビゲノム情報の喪失である」という事である。
- 生体内には「アデニン、グアニン、シトシン、チミン」のAGCT4つの塩基から構成されるDNAというデジタル情報が存在する。これは有名だ。しかしもう1つ、DNAの記述にないアナログ情報をクロマチンという構造に格納し、アナログ情報として親から子に引き継いでおり、この情報を「エピゲノム」と呼ぶ。
- 1つの胚から分裂をはじめ、260億個の細胞に分かれていく人間のような多細胞の複雑な生物が、すべて同じ複製DNAを持った細胞にも関わらず、間違うことなくそれぞれの役割を果たす細胞に分裂できるのは、このエピゲノムが調整を行っているからだ。
- このようにデジタルとアナログに情報の保存を分けたのは、壊さずに完全複製した方が良い情報と、環境に関する情報などの頻繁に書き換えが必要な情報の2つが必要だったからである。これのおかげで、生命は新しい環境に対しても適応していくことができた。
- マグナ・スペルステスが保有していたサバイバル回路は、複数に進化した形で現在の私たちの体の中で働いている。効能は同じで、厳しい環境時にはDNAの修復を優先して複製を停止し、環境が良くなったら子をたくさん増やすように指示を出している。科学者はこれらの回路を構成する遺伝子を「長寿遺伝子」と呼んでいる。
- 著者はその長寿遺伝子の中でも「サーチュイン遺伝子」を研究しており、このサーチュイン遺伝子は哺乳類の中には7種類見つかっている。
- サーチュイン遺伝子は原始の遺伝子Bの末裔であり、簡単に言えば「サーチュイン遺伝子が脱アセチル化酵素(サーチュイン酵素と呼ばれる)を生成し、この酵素によってヒストンが脱アセチル化すると、DNAがヒストンに強く巻き付くことでDNA情報が読めなくなり、結果として複製が停止する」という仕組みになっている。サバイバル回路の現代版である。
- サーチュイン酵素は、生体がストレスにさらされた時に、生殖ではなく修復を選択することで、個体を生き延びさせる役割を持っている。同時に、生体の修復役として「糖尿病・心臓病・アルツハイマー病・骨粗鬆症・がん」などから私たちを守り、慢性炎症の亢進を沈め、細胞死を防ぎ、ミトコンドリアの機能を高め、筋肉消耗や目の黄斑変性とも戦ってくれる。まさに最強の人体メンテナンス係だ。
- サーチュイン遺伝子以外にも、TORやAMPKなどのメカニズムが確認されている。そしてこれらすべての特徴として、「生体にストレスがかかると起動する」というものがある。例えば運動、絶食、低タンパク質の食事、高温や低温に体をさらすなどが事例であり、それらの活動はホルミシスと呼ばれる。ホルミシスによって、身体は活動を控え、エネルギーを蓄えて自己修復する方向に動き、結果として健康と長寿に繋がる。
- さらに、ホルミシスと同じ状況を特定分子の投与によって発生させることも可能なことが分かってきている。簡単に言えば、サプリ1錠飲めば、健康で長生きできる可能性が現実になっているということである。
ということでした。
めちゃくちゃ長くなっちゃったけど、できるだけ簡潔にまとめた。
もう大興奮ですよね?
これ読んで興奮しない人いるの?
第二章:もうちょっと詳しく説明しちゃうよの章
第二章は、第一章で発見されたことの経緯や、より詳しい説明をしたような感じ。
まとめると
- 著者の研究のスタートは「出芽酵母」から始まった。モーティマーという偉大な科学者が、酵母の研究を盛んにしたおかげで、酵母による遺伝子研究が発達し、それが人間の老化研究も大幅に推し進めた。
- 酵母は非常に研究しやすい上に、人間にも応用できる構造を持っている。なので著者は「酵母が老化する謎を解けば、そのまま人間が老化する謎も解けるはずだ」という確信を得て、研究を始めた。
- 酵母の研究から突き止めたのは、「DNAが損傷するとゲノムが不安定になり、それによってサーチュイン酵素が持ち場を離れる。するとエピゲノムが変化し、サーチュイン酵素が損傷を修復しているあいだは細胞のアイデンティティと生殖機能が失われる。エピゲノムという情報が乱れることによって、細胞がただしく機能しなくなる。これが老化の原因である」という内容だった。
- その後10年の検証を経て、到達したのは「若さ⇒DNAの損傷⇒ゲノムの不安定化⇒DNAの巻き付きと遺伝子調節(エピゲノム)の混乱⇒細胞のアイデンティティの喪失(役割や機能の不明瞭化)⇒細胞の老化⇒病気⇒死」という構造である。
- 簡単に言えば、サーチュイン遺伝子が存在すると、身体の災害時にサーチュイン酵素を出動させることによって、損傷したDNAを修復したり、壊れたDNAの複製を止めたりしてくれる。これによって、生命は生存期間を長くできる。だが、その期間中はサーチュイン酵素の本来の役割である「エピゲノムの調節」という仕事をできなくなるため、細胞が老化してしまう。生存と引き換えに老化が存在しているような位置関係になる。
- もう少し細かく言うと、DNAが損傷すると、サーチュイン酵素が駆り出されて損傷個所に向かい、行った先のヒストンを脱アセチル化する。これによって、DNAの巻き付きを強めて損傷を抑えつつ、他の修復タンパク質の応援を呼び、DNAの修復活動を行う。しかし、この間は接合型遺伝子(遺伝子Aの末裔)は活動するため、(つまり厳しい環境下にあるので)、生殖機能は抑制される。サーチュイン酵素が戻ってくれば、遺伝子Aが制御され、生殖機能が復活し、エピゲノム情報も正しく維持される。
- しかし、このサーチュイン酵素が持ち場に戻ってこれないくらい駆り出され続ける(つまりDNAの損傷が発生しすぎる)と、体内のあらゆる細胞においてエピゲノム情報がくるって(入るべき遺伝子スイッチが入らず、入らなくて良い遺伝子スイッチが入って)いき、結果として老化現象が顕在していくことになる。
- エピゲノムの混乱と老化についてもう少し細かく説明しよう。細胞が分裂して成長する際に、分子レベルでは様々な遺伝子のスイッチが入ったり切れたりしている。そのオンオフをつかさどるのが「転写因子」や「サーチュイン類」や「DNAメチル基転移酵素」や「ヒストンメチル基転移酵素」といった酵素類である。これらの情報(指示)が安定していることによって、皮膚細胞は正しく皮膚細胞でい続けることができる。
- しかし、DNAが損傷したあとなどには、エピゲノムに大幅な調節がなされる。DNAと違ってエピゲノムは外部環境に適応するためのアナログ情報だからだ。つまり、DNAが損傷され、サーチュイン酵素などが働きに出てしまい長期的に不在になるなどの自体が起こると、それに合わせてエピゲノム情報自体が書き換わっていく。これが繰り返されると、細胞のアイデンティティ自体も変化してしまうわけだ。具体的には、皮膚細胞だったものが、別の細胞としてふるまい始めたりする。胎内ではスイッチが切られて、そのまま切れたままでいるべき遺伝子のスイッチが起動したりするからである。
- こうやって、皮膚細胞として実行するべきことがうまくできなくなっていった結果、体毛の生成、皮膚の柔軟性維持、傷の治癒などの機能に支障が出始める。これが老化の「症状」になっているというわけである。
- これらをめちゃくちゃ簡単にまとめてしまうと、「サーチュインなどの酵素」が「本来の持ち場である遺伝子」と「損傷したDNA」とを「行き来してしまう仕組み」が問題の根源にあるということ。この仕組みがあり、DNAは必ず損傷するという前提があるため、酵素の行き来も避けられず、そうすると「エピゲノムの混乱=間違った遺伝子スイッチのオンオフ」も避けられないため、いつか必ず老化現象を引き起こす。
- さらにめちゃくちゃ簡単に言ってしまえば、サーチュインなどの酵素が「細胞の安定維持」と「DNAの修復」というあまりにも重要な仕事のダブルワークになってキッツキツなのである。
- 逆に言えば、原因が分かったので対応も可能であるということになる。例えば、サーチュイン酵素の活動に必要なNADという物質の濃度を高める分子を餌に混ぜたマウスは、人間で言えば65歳くらいの年齢になったにも関わらず、マウスの世界記録と言える長距離をらくらくと走った。つまりサーチュインが活性化できれば、DNAの修復と同時にエピゲノムも安定化させることができ、細胞が老化せずに若さを維持できたということになる。すごく重要な2つの仕事を1人で同時に行っているスーパー会社員がいて、そいつに栄養ドリンクを与えたような感じだ。
- このような過程を経て、老化を止めたり、若返ったりすることが現実味を帯びてきている。
はい、こんな内容です。
もう鼻血出そうですね。
面白すぎて。
寝れません。
第三章:老化は病気だって考えてみたことある?
この第二章までが、著者を含めた最先端の科学者が突き止めてきたことの内容です。
そして第三章は、簡単にいっちゃえば
- 老化という病気がその他色んな病気の最も上流にある病気で、言ってしまえばその他は全部老化の合併症みたいなもんだ
- で、その老化という病気を治せる可能性が見えてきているわけだから、今後は「老化は病気であり、治療していける」って前提で社会とか生き方とか再構築していかへん?
という感じだ。
せやな!
完全に同意やわ!
という感じで終わるので別に読まなくていい。
第四章:今すぐできちゃう長寿遺伝子の働かせ方
いよいよ第四章では、実際に今すぐできちゃう方法で長生きする方法を科学的に紹介してくれる。
まとめると、
- まず間違いなく確実な方法は食事の量と回数を減らすこと。少なくともネズミだとカロリーを大幅に制限した生活をさせるだけで、めっちゃ長生きすることが分かっている。
- これは単純明快なロジックで、生体にストレスが与えられた結果、サバイバル回路が起動し、サーチュインを含む様々な長寿遺伝子の「自己修復せねば!」というスイッチが入る。そしてサーチュイン酵素などの自己修復機能を持った酵素をドバドバ出してくれて、普段だったらDNAの修復だけで追われてエピゲノムの維持ができなくなっていくところを、両方バリバリにできるようになって、老化しない!という話だ。スーパー社員を量産できるみたいな感じ。
- しかし、人間でずっとサバイバル回路が働くくらいエネルギー摂取を抑えるのは難しい。そこで、間欠的な断食の登場だ。周期的に食事を制限するだけで、サバイバル回路が起動し、酵素がドバって健康と若さを得られることが実験で分かってきている。
- 食べ方だけでなく、食べるものでも長寿遺伝子のスイッチは起動できる。例えばアミノ酸を適度に欠乏させることで、TORという酵素を働かせないようにできる。すると、細胞はオートファジーを始め、損傷したり折り畳み不全になったたんぱく質を再利用するようになる。結果として、機能不全の細胞が減って老化の進行が遅れるというわけだ。
- ザクっといえば、アルギニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニンなどはTORを活性化させるアミノ酸である。これらは身体を創るために非常に重要だが、筋肉を創るというのはつまり「今は環境が良い時期だからサバイバル回路は起動せずに、生殖しよう」という意味である。それらは必要最低限は摂取するべきだが、必要以上に摂ると「サバイバル回路=長寿遺伝子のスイッチを意図的にずっとオフにする」という状態になってしまい、修復酵素の量を減らしてしまう。修復酵素の量が減れば、エピゲノムが混乱する細胞を増やすことに繋がり、それは数々の老化現象に繋がる。
- つまり低たんぱくで野菜中心の食生活が、最もサバイバル回路の起動に効果的であり、健康で長生きに繋がるということになる。
- 食事以外では、運動も効果的だ。適度な運動は生体にストレスを与え、サバイバル回路を起動できる。ちなみに健康を増進する遺伝子を一番多く活性化した運動は「高強度インターバルトレーニング」だという実験結果がある。断食と運動を組み合わせると、当然だが効果は上がる。
- 他にも、ホルミシス(適度なストレスによってサバイバル回路を起動させる行為)には、サウナなどの高温や、逆に低温に身体をさらすなども該当する可能性が高い。ここは目下研究中である。
という感じ。
断食やったんか!
やっぱり断食やったんか!
すごいな!断食!
神やん!
すぐやるわ!
毎月やるって!
運動もやるわ!
さて、この先は第五章になりますが、、、、
ちょっと長くなってきたので後編に続くッッ!!!
乞うご期待ッッ!!