トリイ学長です。
去年からずっとチャレンジし続けてきた、「教育インフラを創る」というミッションですが、そろそろ大詰めという感じが見えてきました。
ここで、一度私が考えている今後の社会革命について方向性をまとめておこうと思います。
まず、私が何をやろうと考えているか、という話ですが、私は3つの社会変化を起こそうと思っています。
1つが「パラレルワーク」の推進。誰もが好きな職業や仕事、働き方を、どんな状況からでも選択できる社会を実現すること。
もう1つが「パラレルスタディ」の推進。小学校~大学という閉鎖的で限られた選択肢だけではなく、自分で学ぶ場所や学ぶ内容を選んで生涯にわたって成長していけるような社会を実現すること。
最後に「パラレル経済圏」の推進。今の法定通貨に偏った評価軸を多様化し、誰もが自分にあった指標で評価を稼ぎ、暮らせるようになる社会を実現すること。
この3つです。
この3つのうち、1つ目のパラレルワークの実現に関して、本当に見えてきた感じがあります。
パラレルワークが実現すると何が起こるか
みなさんがパラレルワークと聞いて何を想像するか分かりませんが、私は単なる
「複数の仕事をする」
という意味ではなく、
「どんな環境の人でも自由に働き方を選択できる」
という意味を強く意識しています。
言い方を変えると、
「どんなに気が弱い人でも」「どんなにITに弱い人でも」「子供の世話や親の介護で家から出れない人でも」「1日数時間しか労働に割けない人でも」そういった条件に影響されることなく、自由に働き方を選択できる。
そういう社会を実現したいと考えています。
私の母親は専業主婦でした。3人の子供を育てながら、ワンオペで家事育児をやってきた彼女のような「仕事をするという意味では恵まれない環境」の人でも、ちゃんと自分の意思を持って、自分でお金を稼いだり、仕事を楽しんだりできる社会にしたいのです。
若い人が、若い人の希望になるのはいいことだと思います。ですが、4人の幼い子供をほぼワンオペで育てている私からすると、「現代社会で活躍されている風の、24時間自分のために使える人」は「まるで別世界の人」なのです。
私は1日3時間から最大でも5時間程度しか、仕事に割くことはできません。それも育児をしながらなので、純粋な意味では1日1時間程度しか働くことができません。
そんな私のような環境の人でも、ちゃんと好きな仕事を見つけたり、やりがいのある仕事をやったり、好きな場所に住めたり、自分の力で稼げるようになる。
そんな社会を実現していきたいと考えています。
人生には希望が必要です。どれだけ不利な条件になった人でも、ちゃんと働き方を選択しなおせる社会にするべきです。
そのために、ファーストペンギン大学は「一部の優秀な人が飛躍的な成長を遂げられる」ではなく、「どんな状況の人でも自分らしいサイズの成果を得られる」ことを重要視しています。
最終的には、人生の充実は富や名声では得られません。
スーパースターを数名出すのではなく、「全員が確実に1ミリずつ前進できて、人生に希望を持って生きられるようになる」ような環境を創っていきたいです。
パラレルワーク社会の実現のために必要なこと
2012年に独立してから、上記のようなビジョンはずっと持っていましたが、なかなかサービスに落とし込めずにいました。
私は未熟ゆえに、何が必要なのか分からなかったからです。
自分自身が教鞭に立つようなスタイルでは、対応できる人数、伝えられる知識の幅や深さなどに限界があります。
ブログなどで発信してどれだけ知識を伝えても、知識では解決できない問題があるように感じました。
人間が生き方を変えていくためには、知識ではない何かが必要で、でもそれが何か私には分からなかった。
今の私は明確に「何が必要か」を理解しています。
必要なのは「環境」であり、環境とは「文化」「評価制度」「知識」「経験」「交流」の5つの要素によって構成されています。
ファーストペンギン大学で、私は校則を創ることで文化を、ペギーによって評価制度を、教材の選定やカリキュラムの作成によって知識を、ゼミによって経験と交流を提供することに成功しました。
私たちは今、大学を通じて、全く会ったことのない人に信頼して仕事をお願いしたり、妊娠や結婚を自分のことのように喜んだり、冗談を言って笑い合ったりしています。
環境をオンラインで構築すれば、本当にこのような社会が実現できることが分かりました。
今後は、学内放送を通じて「様々な働き方のモデルケース」を紹介していくことで、みんなが自分に合った「目指す働き方」をイメージできるようになり、そしてその「目指す働き方」の実現のために必要なゼミを一緒に考えて開発していくことで、
【誰もが自分が目指す生き方や働き方を見つけられ、そこに向けて必要なスキルや経験も積むことができる】
というインフラを創造できると考えています。
どんな状況になっても、ここに来れば、人生を再スタートできる。
そういう場所があること自体が、私はとても素晴らしいことだと思います。
現状のゼミの方向性
人によって「働く条件」や「目指す働き方」は違うと思います。
ですが、最低ラインのスキルとして「ITフリーランス」としてのスキルは全員に持ってもらいたいと思っています。
現状の社会では、ITフリーランスとしてのスキルを身につけることが、働き方の自由度を高めるために必須だと考えているからです。
そのため、8月からは開講するゼミを15種類程度の「ITフリーランスに必要なスキル」に絞っていきます。
さらに、「特別ゼミ」として幅広いジャンルのゼミを毎月1つ開講し、社会変化に合わせて必要なスキルが身につけられる柔軟な運営を目指します。
8月は特別ゼミとして「初めての株式投資ゼミ」が開講予定です。
この辺は、みんなで「何がこれから必要なスキルか」を考えて開講していけたら面白いなと思っています。
メディアとマッチングの融合による可能性
7月17日から、ペンギンズテレビがリニューアルしました。
まだ3日しかたっていませんが、私は生放送番組に圧倒的なポテンシャルを感じています。
もともと、オンラインコミュニティを立ち上げた時に、サービスの価値がメディアなのかマッチングなのか、良く分からないまま走り出した感じがありました。
今は、教育サービスとは「マッチングサービス」であるべきだという結論に至っています。
ファーストペンギン大学で重要なのは、やはりゼミです。
他人との深い交流が無いと、人間はうまく成長できない。
理由は分かりませんが、人は人によって磨かれる生き物のようです。
だから私は、メディアサービスにするのは間違っていると考えています。
「すごい人」を遠目で見ているだけでは、自分の人生は何も変わらない。すごい人を見て「俺もやるぞ!」となって本当にやれる人は、元から優秀で放っておいても輝ける人です。
普通の人が変わっていくためには、他人との交流が必要で、そして交流とは「冗談を言い合える関係」になれるくらいの深さが必要です。
ゼミはそれをオンラインで実現できる、日本でも唯一の仕組みになってきています。(まだ完成度低いけど)
では、メディアはなぜ必要か?
ゼミを中心にしたサービスでは、何が足りないのか?
それを考えていった時に、私はメディアの「マッチングサービス」としての価値に気づきました。
メディアは、実は情報価値だけではなく、「薄いつながりを創るマッチングサービス」としての要素も持っているという事実です。
みなさんは、大好きなアニメがあったときに、「このアニメが好きな人に悪いやつはいない」という表現を聞いたことがあるかもしれません。
アメトークで「ガンダム芸人」や「JOJO芸人」が集まると、勝手に盛り上がってお互いに好きになれます。
人間は、「同じものを愛している人を愛せる」という感情を持っているのです。
メディアに必要なのは、知識ではなく愛情なのかもしれません。
愛されるメディアを創れば、視聴者同士がゆるやかに繋がりを感じ、互いを好きになれるのかもしれない。
そして、そういった土壌を創ったうえに、深く繋がり合っていくゼミというマッチングサービスを展開することで、サービス全体を補強できるかもしれない。
私は今、ユーザー参加型の番組を創っていくことで、そういった環境を構築できる可能性を感じています。
スケーラビリティと会員数でも日本一を目指す瞬間の話
大雑把にまとめると、
● 私は「誰もがどんな状況からでも自由に働き方を選べる社会」を実現したい
● そのために必要なのは「環境」を提供することだと理解し、ファーストペンギン大学ではゼミを通じてそれが実装できた
● ゼミで実現できなかった「ゆるくて広いつながり」をメディアで創れる可能性が見えてきた
という事です。
そして重要なのは、これらの機能が「私がいなくても成立する」という仕組みになっている事です。
ゼミ自体は、すでに生徒のなっちゃんがチーフとなって運営していますし、ゼミ長も生徒自身が回していく仕組みになっています。
そして、メディアも中心となるのは生徒です。番組の企画をやってくれているのは生徒のおさむちゃんですし、キャストも生徒が出演してくれています。
今は私が司会をやっていますが、司会も徐々に生徒に任せていく予定です。
ついにこの時が来ました。
サステイナビリティ=人間の勢いや熱量といった不安定な要素に任せず、安定して価値を提供できる仕組みや骨組みがある状態
スケーラビリティ=会員数が増えてもサービスの価値が安定する状態
バリュアブル=ある条件を持った顧客にとって、ほかのサービスでは得られない価値が存在する状態
の3つがそろった。
ここから価格を下げて、商品の見せ方を修正し、会員数でも日本一を目指していくタイミングが来ました。
本気でマーケティングやろうと思います。
楽しもうぜ。