みなさんは、スマホで子供にyoutubeを見せたりしていませんか。
特に仕事と家事と育児を三立させようとしている働くしゅふーのみなさんは、きっとスマホで時間稼ぎのために子供にyoutubeなどを見せてしまっている経験があるはず。
ちょっとだけ集中する時間が欲しい時、ちょっとだけ静かにしていて欲しい時、youtubeというのは最強の子守りツールになりますよね。
ですが、「コンテンツの視点」で考えたら。
もし「コンテンツの視点」で考えたら、あなたも僕と同じように「youtubeのアプリを起動して子供に手渡すその行動はもしかしたらとても危険な事かもしれない」と思うかもしれません。
便利なのは分かります。すごく便利。その気持もすんごく分かりますが、もう一度改めて「そうするべきか?」を一緒に見なおして欲しいと思います。
youtubeを見ているのは圧倒的に子供が多い
そもそもyoutubeって誰が見ているのか?という話ですが、一応データは色々と出ているみたいです。
他にもリサーチ会社とかyoutube自体が調べたデータとかもあるのはありますが、ログインしているユーザーの年齢だったり、15歳以上で調べていたりするので、幼児や小学生がどれくらい閲覧しているのかを示すデータは見つかりません。
何となく、男性の年齢層高めな層がメインユーザーという傾向があると言われているくらいような感じ。
しかし、実際にyoutubeを見てみれば一目瞭然です。
例えばこの動画ですが、
最近youtubeですごいスピードで増えていっている子供向けおもちゃのレビュー動画ですが、この記事を書いているおよそ6ヶ月前にアップロードされたものですが、すでに760万回以上再生されています。
半年で760万回です。
他にも、有名なレオンチャンネルなどもありますが、こちら。
なんと1日です。この記事を書いている1日前にリリースされて、すでに6万3千回も再生されています。
たった1日で、ですよ。
大人が嬉しそうにこれらのおもちゃレビューの動画を見ているとは思えませんので、視聴者のほとんどが小さな子ども、しかもデータなどには出ていない15歳未満の子供であることは間違いありません。
言い換えると、6万3千人の親が子供にこの動画を見せていると言えます。
テレビとyoutubeを同じようなものだと勘違いしていませんか?
子供の頃に、親が忙しいからと言ってテレビの前にぽん!と置かれた経験のある人は少なくないと思います。
それくらい、子供はテレビが好きだし親にとっても都合の良いものであることは否定できません。
それと同じ感覚で、つい夢中になって見てくれるからyoutubeを起動したスマホを子供にぽいっと手渡してしまう、、、、というか僕もそうしてしまっていたのですが、考えてみて欲しいことがあります。
雑誌やテレビや映画などのコンテンツに、どれだけの編集コストがかけられているか。
僕自身、WEBの媒体を編集していますし、奥さんが雑誌の編集者という仕事をしているので大変よく分かっています。
一冊の本を作るのに、1つのテレビ番組を作るのに、どれだけの編集コストがかかるか。
1つのブログ記事を書くのにだってそうです。
「編集」とは「偏集」である 。ということを以前お世話になった凄腕の編集長が言っていた事を思い出しますが、編集作業には「メッセージ」があります。
「何を伝えたいか」からスタートして、それが最も伝わるように、「偏り」を持ってコンテンツを作っていくのが編集作業です。
決して、「見えやすいようにする」とか「音楽を入れる」とかの作業のことではありません。
何を伝えたいのか?が大切なのです。
子供向けのコンテンツであれば、アンパンマンを通して「伝えたいこと」があり、ディズニーを通して「伝えたいこと」があります。それは愛だったり人間の美しさだったり醜さだったり、作り手によって全然違うとは思いますが、確かにあるのです。
そして、それらが最も伝わりやすい形に工夫をこらし、最大限の努力をするのが編集作業です。
伝える相手の人生のことを考え、想像し、より豊かな毎日を祈って愛情を込めるのが編集作業の最も重要な部分だと言えます。
だから、アンパンマンはたくさんの人に勇気を与え、ディズニーは愛と希望を与え、ドラえもんが夢を感じさせてくれる。
それは旅行番組でも健康雑誌でも同じです。このブログでも、そしてこの記事だってそうなのです。
人間にとって大切なものがあり、それを伝えたい。
編集コストをかけたコンテンツには、そういった「愛のあるメッセージ」が込められているわけです。
溢れかえるおもちゃのレビューやバイラルメディアは子供に見せるべきものだろうか
最近、バイラルメディアが流行りました。
どっかでウケたコンテンツを盗んできて、ばらまいて広告収入をもらうという詐欺同然のメディアで、一部訴訟にまで発展していましたね。
ここ1ヶ月くらいでは、youtubeが「好きなことで生きていこう」みたいなCMを流しているせいで、一番簡単にアクセスを稼げる「おもちゃのレビュー動画」が溢れかえっています。
では、そういった動画にどれくらいの編集コストがかけられているでしょうか。
「愛のあるメッセージ」がどれくらい背景になっているでしょうか。
視聴者の人生を、人間にとって大切なものを、どれくらい真剣に考えて作っているでしょうか。
それをもう一度考えなくてはいけない気がします。
コンテンツを作っている立場として明確に言い切れますが、テレビとyoutubeは全く違います。
しまじろうには伝えたいことがあるのです。
それを思い出してください。
正直、大人は良いでしょう。くだらないものを見て、思考停止していたとしても、張り詰めた生活の中に何も考えない時間が少しくらいあってもいいと思います。
しかし、子供はどうでしょうか。
最も脳が成長する時期の子供が見るべきものは何でしょうか。
おもちゃのレビューだと思いますか?
世の中のことを学び、人間のことを学び、人生観が形成されていく最も人生において重要だと思われる時期に、子供が見るべきものはどういったコンテンツなのか。
きっと答えは同じはずです。
しっかり作られたテレビですらアホになる原因だと研究されているわけで
東北大が最近こんな研究データを発表しています。
長時間テレビ視聴が小児の高次認知脳領域の発達性変化や言語性知能に悪影響を与えることを発見
内容は簡単で、長時間テレビを見ていると脳に悪影響があるというもの。
この度、同部門の竹内光准教授・川島隆太教授らの研究グループは、小児の縦断追跡データ
を用いて、TV 視聴習慣が数年後の言語機能や脳形態の変化とどう関連しているかを解析し、
長時間の TV 視聴が、脳の前頭極を始めとした高次認知機能領域の発達性変化や言語性知能に
悪影響を与えていることを明らかにしました。今回の知見により発達期の小児の長時間の TV
視聴には一層の注意が必要であることが示唆されます。
※http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20131118_02web.pdf
この辺の研究は見方によって色々と解釈できるとは思いますが、少なくとも受け身の状態で情報を受け取ってばかりいると脳みそによくなさそうなのは理解できます。
しっかり編集されたコンテンツでさえそうなのです。
メッセージも何もなく、ただ作り手が「自分が好きなことで生きていく」ためだけに作られたyoutube動画だったらどうでしょうか。
からあげくん食べたり、おもちゃをレビューしたりするだけの動画ばかり見たらどうなるでしょうか。
学術的な研究がされるのは10年以上先でしょうが、先に言っておきます。
間違いなく馬鹿ばっかりになります。
こんな知らないおっさんが家で串揚げ作ってるような動画
を、あなたの子供が見ているかもしれません。
この動画は5分53秒(およそ6分)です。
すでに16万回5千回程度再生されています。
つまり合わせて99万分、約100万分もの子供の脳みそがこれに投入されていることになります。たった一つの動画で、です。
先ほどの4分のおもちゃのレビュー動画は760万回再生されていましたよね。
こうやって全部足し合わせたら、もう計算するのも悲しいくらいの我が国の子供の貴重な時間が、それは本来は脳みそを発達させて僕らの未来を作っていくための子供の貴重な貴重な時間が、youtubeにガンガン投入されていっているのです。
結果として、好きなことで食っていけるおっさんが数名増えただけです。
あまりにも見返りが少なすぎると思うのは僕だけでしょうか?
まとめ:子供にyoutubeを見せるべきか今日から一緒に考えませんか
我が家では、これに気付いてからyoutubeを手渡すのをやめました。
子供には、せめてもっと意味のあるしっかりと編集されたコンテンツを見せたい。
どうしても少し静かにしてもらいたい時や集中していて欲しい時はあると思います。
でも、その時に子供はyoutubeで何を見ているでしょうか?
それは子供の未来のためになる、しいては自分の未来のためになるものでしょうか?
youtubeは無料で見られます。
しかし、だからこそ怖い。
今後の日本は共働きの低所得の家庭が増えます。
つまり、忙しくってお金も無いからyoutube見せておくのがぴったり!という家庭が増えていくのです。
これを放置すると幼少時代の脳みその発達がそのまま所得の格差につながってしまい、ますます取り返しのつかない国になってしまう気がします。
youtube全体が悪い!という話ではありませんが、どんな内容をどんな人がどんな意思で創っている動画なのか?については、親が一緒にチェックして話し合っていきたいものです。
今日は以上。