おはようございます。
がくちょうです。
今日は、いわゆるニュータイプと呼ばれる層の出現と、それによってマーケティングの現場がどう動いているかについて書きましょうか。
ええ、書きましょう。
ニュータイプは、アムロレイのことじゃないよ。
マーケティングにおいて、最近現れ始めた若い世代のことを指します。
ニュータイプは仕事が人生の目的にならない
奥さんと話していたんですけれども、いわゆる僕の世代というのは1986年生まれのハチロク世代というやつでして。
まぁ何というか、あんまりガツガツしていない人が増えてきています。
同世代でも、会社でバリバリやって出世しまくってやるぜ!!みたいな人ってホントに少ない。それよりは、仕事もまぁしっかりやるし楽しめばいいんだけど、それよりは自分の趣味とか時間とかを大事にしたいし、男性でも育児とかやって家族との時間を豊かに楽しみたいぜ。
みたいな人が多いです。
今の30代以上の人には、あんまり想像つかないんじゃない?こーゆーの。
やっぱり30代以上の人は、よく働きますわ。
サラリーマンでも事業主でも。仕事が男の人生だ!みたいな感じの人が多いんですよね。
でも、僕は違うなぁと。
仕事は人生の目的にはならないと思ってる。
もちろん、精一杯やるし、楽しいこと仕事にしてるから充実してるんだけど。
それでも、仕事が男の人生だとは思ったことない。むしろ、育児とか料理とかもやりたいし、色んな自分の時間を楽しみたいんですわ。
その分、奥さんにも働いてもらいたいと思っています。まぁスネかじってヒモになりたいわけじゃないんだけど、仕事ってのもやっぱり自己表現の一つで、人生において大切なことだと思うんですよ。
牛丼280円で食べられる時代ですから、生きるためだけに働く、食うためにだけ働くっていう時代ではなくなってきているので、やっぱり自己実現とか人から評価されて輝きを保つとか。
人生を楽しむためにも、女性にも働いて欲しい。そんな感じ。
その代わり、男性も育児も家事も女性と同じというか、むしろ女性よりやるくらいで当たり前かなーと思うんですよね。
色んな苦労とか分かち合おうよ。ってね。
ニュータイプはモノを買わない
最近の人はモノを買わなくなったみたいな話をよく聞くようになりました。
そりゃそうだよ。僕らの世代は、生まれてからずーーーーっと不況なんだから。
景気が良いの意味が分かりません。ずっとデフレです。
でもその分、工業生産性の進歩とデフレの持続によって、はっきり言ってほとんどのモノがめっちゃ安く手に入る人生でした。
生まれてからこれまで、ずっとモノが安くなっていく世代。
おしゃれなジーンズは1,280円で手に入るし、クルマはカーシェアで毎月1,000円で手に入る。
回転寿司は一皿90円だし、スマホの本体はキャンペーンで無料です。
生まれてからずーーーーっと、そんな感じなんです。
だから、モノに対しての欲求みたいなのがあんまり強くない。値段が高くて手に入らないけど、どうしても欲しい!!みたいなモノは減ってる気がする。
正直、そこそこの品質のものは安く手に入るから、その先の高級品はまさに嗜好品って感じなんですよ。好きな人だけ買えば??っていうね。
だから、バブル世代みたいに何でもかんでも欲しがらないわけ。
大概のモノは既にあるから、麻痺しちゃってる。
ニュータイプは生産性を重視する
なんかこれは僕だけかもしれないけど、生産性に敏感な人が増えている気がするんです。
仕事が人生の目的にはならないから、がむしゃらに時間をかけて働くのが正義だ!みたいなのを受け入れられないというか。
成果が出ればいいんでしょ!?みたいな感じのちょっとひねくれたやつが多いような感じ。
僕自身もそうなんですが、同じ成果が出るなら短い時間でやった奴のほうが偉いと思っています。
これは、時間をコストとして計算し始めた証拠なんじゃないかなーと。
今、社畜みたいになって長時間働いているような人ってのは、結局ヒマなんですよ。
他にやることがないから、会社にいるだけです。例えば他にどうしても時間を使いたいことがあったら、早く帰るでしょう?
もしくは、職場を変えたり部署を変えてもらったり、なんでもいいからちゃんとアクションするわけで。
それをしないのは、結局ヒマだからですよ。会社にいる以外に、やること無いんです。
だから、2chに芸能人の悪口書き込むくらいなら、会社で頑張ってるように見えるほうがマシな人生っぽいから遅くまで働く。
大事なのでもう一回言います。
2chに芸能人の悪口書き込むくらいなら、会社で頑張ってるように見えるほうがマシな人生っぽいから遅くまで働く。
それだけなんです。
今の若い世代は、それを受け入れられなくなってきています。
ニュータイプが生まれた理由とマーケティングの現場
この世代がこんな感じなのは、いわゆるゆとり教育のせいだ!みたいに言われたことがあったりします。
ちょうど、僕らの世代はゆとり教育が始まったくらいの頃なので、そのせいでぬるい野郎が増えてるんだ!みたいなことを言うおっさん達もいたりする。
でも、それはあんまり関係ないと思う。
僕が思うのはですね。
やっぱり工業生産の世界が終了して、価値観がシフトしているせいだと思います。
もう、実質的に人間のやるべき仕事ってのはどんどん無くなっていってるんですよ。最低限のコストで、人生の質を担保する方法というのを人類は生み出していってるから。
面倒なことややりたくないことは、どんどん機械にまかせていける。そして生産のコストは限りなくこれからも下がっていく。
そんな中で、みんなヒマになっちゃったのね。
ヒマになった人類のうち、一部の人はネットに炎上騒ぎを起こすことに時間を使っていて、そして一部の人はやることないから会社に長時間いることを選択していて、
そして、一部の人は気付いた。
時間を豊かに使う人生にするべきだと。
豊かさの基準が、モノではなく精神的な価値に移った。
より美味しい「モノ」ではなく、美味しいものを楽しんだという「記憶や体験」が欲しい。
人の欲求はより細かく、具体的で、わがままになっていってます。
それは単一的ではなく、非常に細分化されていて、注意を払わないと見抜けない。
そんな精神性が「価値」として認められる世の中になっています。
商品設計の甘さ
僕はコンサルティングの現場において商品の設計を手伝う時に、これらを踏まえて必ずターゲットを細かく限定していくようにしています。
ターゲットの状況を大雑把に見てしまうと、精神的な価値観や欲求に対してベストアンサーが出せません。
例えばネイルサロンがあったとして。
ネイルサロンに対して、顧客は何を求めているんだろう?どんな欲求があるんだろう?という部分が、「提供するべき価値」なわけです。
これを、「美しいネイル」とかいうモノに設定するから、本当に欲しいものが見えてこない。
美しいネイルは、どこでも手に入るから。
既に、顧客が手に入らないモノは無いんだ、という前提で始めないとダメです。
既存のサービスやその人の現状を細かく細かく見ていった時に、その人が手に入れたいんだけど手に入らない「価値」とは何なのか。
そして、それが手に入らない「本当の理由」とは何なのか。
それを、ベストアンサーが見つかるまで探っていく必要があります。
34歳と32歳で、全く同じ精神性というのは有り得ない。彼氏がいる、いないでも、欲しい「価値」は変わってくる。
彼氏の年収が1000万の独身女性と、320万の独身女性じゃ、人生の悩みも課題も「価値」を感じるものも、全然違うでしょう?
自分のネイルサロンに来るお客様は、彼氏と喧嘩したもやもやを吹き飛ばしにくるのかもしれない。女子会に向けて気合を入れにくるのかもしれない。ネイルではなく、ネイルによって手に入る精神的価値とは何だろう?という考え方で見ないとダメです。
自分のネイルでしか解決できない理由はありますか?彼氏と喧嘩したもやもやは、ネイルと同じ金額でラウンドワンでも吹き飛ばせるはずです。
それでも、その人は何かの原因があったり制約があったりわがままがあって、ネイルじゃないとダメかもしれない。
そしたら、そのネイルじゃないとダメな理由が、商品の本質的な価値なんです。
精神性の「価値」に対して、「ベストアンサー = 売れるポイント」を見つけ出すのは、こういったかなり細かいターゲティングが必要です。
そこが甘いから、結果として商品の設計自体が甘くなってしまっている人がかなり多いです。
売れない理由をプロモーションやライティングだと思っている人が結構多い。
しかし、ほとんどのビジネスの売れない理由は、商品設計の甘さです。
つまり、欲求やニーズがシフトしたのに対して、まだ提供側が追いついていません。
マーケティングの現場で、僕はそんなことを感じています。
それではみなさん、今日も豊かな一日を。