おはようございます。
がくちょうです。
私ごとですが、3月に第三子が産まれる予定なのですが、男の子であることが判明しました。
第二子は「承太郎」という名前にしたのですが、第三子も男の子だったということで、「ジョルノ」にしようと思っています。リアルに。
2年後くらいに川崎駅のラゾーナで「早く来なさい、ジョルノ!」というキーワードが聴こえたら、たぶん私です。
鳥井・ジョルノ。
かっこいい!!(;´∀`)
まぁ実際には「はるの」ですけどね。僕はジョルノって呼ぶつもりです。
会社名もPASSIONEですし、我が家もそろそろ本格的になってきましたね。
この辺は分かってくれる人だけ仲良くしてもらえればいいです。
(※2016年12月追記※もう産まれました。マジで「初流乃」にしました。)
(※2019年7月追記※5人目が産まれて「仗助」にしようとしたら漢字が登録できなくて「丈助」にしました。)
ビジネスプランを作る際によくあること
さて、本題です。
いろんなスタートアップとかスモールビジネスにチャレンジしようとする人のプランを見てきていて、大抵の人がハマるポイントがあるんですよね。
それが
企画とアクションプランのメリハリをつけること
なんですけども、これが結構慣れていないとみんなメリハリが無くなってしまってイマイチなビジネスモデルになりがちだったりします。
もちろん、どこまで成長するのかはその後の運営次第という話もありますが、少なくとも箸にも棒にもかからない的なプランにならないように、このメリハリの部分はかなり気をつけて設計をやっていくのを僕はオススメしています。
具体的に言うと、「企画の時は大きく盛大に全ての可能性を反映させる」のが大切で、それを具体的にアクション・プランに組んでいく際には「恐ろしいほど懐疑的かつ細かく精緻に計画する」のが大切ということです。
と言っても分かりにくいと思うので、今日はそのへんのプランの作り方のコツを、事例を含めてステップで解説していこうかななんて思いますです。
ビジネスプランの組み方に興味のある人は、是非時間を作って読んでみてください。
1,企画するときは実現性よりもわくわくを優先する
これはですね。
僕が会社員時代にビジネスを教えてくれた大先輩がいたんですけども、その人の名言でして。
その人は、社員への行動の際の判断基準として、
●その判断は、経営者判断ですか?
●その判断は、わくわくできますか?
●その判断は、未来の後輩のためになっていますか?
という3つを常に考えろという話をしてくれていました。
これは今でも僕は心に刻み込んでいまして、常に判断の際の基準にしています。
これはビジネスの企画の際にも非常に大切だと考えていまして、大抵の「行き詰まり感」が漂っているスタートアッパーに話を聞くと、この「わくわく」が失われてしまっているのが原因だったりします。
そういう人は、やりたい事はなんとなくイメージできているし、社会貢献の気持ちはすごく強かったりするんですけど、ビジネスモデルの企画の段階から「実現性」を付与してしまっているケースが多いんですよね。
しかし、モデルを組むときにこの「実現性」を優先してしまうと、ビジネスの一番の成功要因である「わくわく」というモチベーションが死んでしまうため、やっぱり行き詰まります。
具体的にはいろんなケースがありますが、下記に失敗する代表例と回避策を上げますね。
ビジネスプランが煮詰まるケース1:自分にできることでフレームを作ってしまう
まず一番多いのはこれかもしれませんね。
実現したい「価値」とか「貢献性」に目を向けずに、「今の自分にできること」をベースにして企画やビジネスプランを考えてしまうケースです。
これは怖いのは「無意識」でやってることですね。
この前書いた記事でも「基本的に人間は思いついたものは何でも実現できる」という前提に立てばうまくいくという話をしたと思います。
でも、人間の思考のパターンは「習慣化」しているものなので、そんな簡単に「何でもできる前提」には立てないんですよね。
この「できること」に縛られて企画をすると、結果として非常に窮屈で面白みのないビジネスプランが出来上がるケースが多いです。
自分はプログラム組めないから複雑なWEBサービスは無理だな、とか。
自分は大きな実績があるわけでも無いから、教える仕事は実績を出してからじゃないと無理だな、とか。
お金が無いからこんな企画は無理だな、とか。
無意識に、自分ができそうな範囲で物事を考えてしまうんですね。
でも実際には、プログラマーを雇うなり創業メンバーに入れるなりすれば、自分が組めなくても問題無いですよね。
実績が無くても、誰かにアドバイザーに入ってもらえれば良いし。
お金は無いなら集めれば良いわけです。
問題はですね。こういった「なんとかしてやろう」という思考回路になるためには、「わくわく」している必要があるってことです。
創業者が「わくわくしてるかしてないか」というのは、話すとすぐに伝わります。
実現性を気にしてしまったせいで、「わくわく」が失われている状態だと、結果としてプランもつまらなくなってしまって人もお金も集まらない。
逆に、「わくわく」を優先してプランを作れば、ビジョンがブレにくく、人やお金も集まりやすくなります。
自分がこのパターンにハマっているかも・・・と思う人は、是非「これが実現した社会に心からわくわくできるか?」という思考でもう一度自問自答してみてください。
即答で「YES」ではない人は、「実現性のフレーム」に縛られていないか、再度見なおしてみることをオススメします。
何でもできるなら、何をやりたいか。という思考で何度でも再企画してみてください。
ビジネスプランが煮詰まるケース2:ビジネスモデルの検討バリエーションが少ない
もう一つよくあるのは、コレですね。
この場合も、大抵は「価値のイメージ」はできていて、どういった人のためにどんな価値を生み出したいのかはわかってるケースが多いですよね。
例えば、「核家族の家庭に子供を育てやすい環境を提供したい」とかですね。
このレベルだと、ある程度の提供価値のイメージやペルソナは見えているわけです。
でもですね、ビジネスモデルの検討バリエーションが狭くて行き詰まると。
自分が思いつくケースでしか、ビジネスモデル自体を検討しないんですよね。
例えば「核家族の家庭がもっと手軽に利用できるベビーシッターの派遣ビジネスをやろう」という話で止まってしまう。
その結果、アクションプランを詰めていった際に「スケールや利益率に限界がある」ということで一瞬で行き詰まり感が出たりします。
このスケールや利益率も、非常にモチベーションに関わってきますからね。
100万人にアプローチしたくて始めた企画が、具体案の段階で1000人程度にしかスケールできなかったら、ワクワクしなくなっちゃうでしょ。
この場合もですね、実際には「アプローチするインサイト」や「ビジネスモデルとしての出口」を変更するだけで、全然違うモデルにしてスケーラブルになったりするんですよね。
例えば上記の例だと、
「シッターを派遣するビジネス」として「実働に対する課金」
をやってしまうと、品質担保のことも考えてシッター数×保育限界数でスケールが決まってしまいます。
それをですね、
「カーシェアリング」のように「いざという時にシッターを借りられる権利に課金する」
というモデルに変えるだけで、全然違う課金制度やスケールが見えてくるわけです。
「シッター派遣」から「シッター保険」に変えるようなイメージですね。
そうするだけで、「シッターを使う人」から「シッターを使うかもしれない人」にペルソナをスケールできますからね。
さらに、「実働に対する時間課金」から「月額の登録課金」に課金モデルもスケールできます。
さらにさらに、「育児給付金」などと合わせて営業やDMをタイミングキャッチすることで、社会インフラレベルに普及できる可能性も出てきたりすると。
まぁこの辺まで来るとアクションプランなので非常に細かく立てる必要はありますが、少なくとも1000人にシッター派遣するだけのビジネスモデルより、創業者もワクワクできますよね。
自分がこのケースにハマっているかも・・・と思う人は、とにかくビジネスモデルを100個くらい見てみることをオススメします。
カフェをやろうと思っているなら、世界中のカフェの課金モデルや運営事例を100個くらいかき集めると。
もしくは、「コミュニティビジネス」や「店舗型ビジネス」のように広げて色々な事例を見てみることも重要です。
そうやって検討の母数を広げておくと、行き詰っていたモデルが「他の業態の●●というビジネスの、自分の領域版」みたいな感じでインスパイアできるようになります。
今回の事例だと、「カーシェアリングの、ベビーシッター版」みたいな感じですね。
この「●●の、■■版」という表現で置き換えておくのはイメージのすり合わせにおいても非常に有効です。
自分もブレなくなりますし、人に説明する時もわかりやすいですからね。
2,アクションプランは死ぬほど懐疑的かつ現実的に組む
さて、前述してきたのは企画の段階の話です。
まとめると、企画段階ではできることの枠を外して、知っていることの枠を広げて、自由に雄大にプランを組もうぜという話でしたね。
で、ここからがちょっとメリハリになってくるのですが、じゃあ具体的に行動に移そうぜという際にはそのまんまの思考では全くもってダメです。
ここがそのまんまの人が多くてびっくりするんですが、「これは面白い、これはイケる」という興奮やわくわくは創業にはとってもとっても大切なことです。
しかし、具体的にアクションプランを組もうとした際に、この興奮状態のままで進む人が多すぎです。
このアクションプランを組む際にはですね、手のひらを返したように厳しくする必要があるんですね。
とにかく、楽観視は禁物。
全てにおいて、「売れないんじゃないか。」「誰も使わないんじゃないか。」「人が集まらないんじゃないか。」という思考で計画を組むべきです。
この時に、興奮冷めやらぬ人はそのまんまのテンションで「絶対売れるぜコレ!!」という感じでリソースを投下してしまい、始めたら全然売れなくて途方にくれるんですが、今更後に引けなくなってずるずる運営して資金繰りで疲れて死にます。
そんな悲しい結末を回避するために、どういう視点で考えていくべきなのかという話を備忘録も含めてですが共有します。
投資にならないところまでまずは色々とやってみる
まずはこれかなと思います。
経験の無いジャンルや、新しい挑戦としてビジネスモデルを組んでいる際には、やはり考えている時間をいかに短くして実際に動いて現場を体験できるかというのが重要です。
自分の妄想で考えていたことが、現場を見たら全然違ったなんてことは当たり前に発生します。
ですから、自分が顧客になって似たようなビジネスを購入したりしてみるとか。
あと、簡単に再現できるレベルで商品を作ってみて実際に販売してみることも大切です。
いわゆるテストマーケティングですが、この記事「絶対に起業に失敗したくない人はコストを最小化してやってみよう」とかでも書きましたが、自分が思ってるよりも簡単に、テストマーケティングは実施が可能です。
マッチングサイトを考えているなら、知り合い同士で一度WEBを利用してマッチングしてみてもいいし、コンサルティングや教育系のビジネスを考えているならセミナーやってみるとか。
飲食店なら貸しスペースでプチパーティやるだけでもいいわけです。
その際には、「ペルソナのインサイト」と「ペルソナに刺さる訴求ポイント」と「ペルソナの満足度が高まるポイント」の3点くらいは、最低でも気にかけてテストマーケティングを実施しましょう。
「ここからが投資」というタイミングを見極める
そして、次にこの「投資になるかどうか」のタイミングを見極めるのが大切だと思います。
これ以上やると、「投資」になるなというポイントがどこかをしっかり考えることです。
外部ファクターを巻き込んだり、資金を集めたり、継続する責任のある状態が発生したりと、人によって判断基準は違うとは思いますが、自分なりに「これ以上はダメ」というポイントをしっかり見極めましょう。
そして、このポイントまできたら具体的なアクションプランの段階に入ります。
本当に買うのか?というユーザーシナリオを超懐疑的に考える
これ以上は投資になる、というポイントまできたら、改めて自分のビジネスプランを死ぬほど懐疑的に見直していく必要があります。
その中で、最初に必ずやっておくべきことが「本当に買うのか?」ということを考えることです。
だいたい、ビジネスプランが加熱してきてテストマーケティングまでやってしまうと、積み上げてきた行動や投資がもったいなくなって、「売れるだろう」という曖昧な状態で進もうとしてしまいます。
というか、「売れて欲しい」になってます。気付かずに。
ここで、「売れるだろう」という提供者の目線ではなく、「間違いなく買う」という顧客の視点に戻れるかは、非常に大切だと感じます。
改めて、ペルソナを深掘りしていきます。
ペルソナはどういった人間で、
どういった日常生活を送っており、
どういったタイミングで自社の商品に対する潜在的なニーズが発生し、
その瞬間にペルソナはどういった行動を取り、
その行動にどのように自社の商品への導線を当てることによって、
ペルソナに「この商品しか無い」と感じさせることができるから、
間違いなく「買う」。
というユーザー心理のシナリオです。
これが全ての創業メンバーで明確にイメージを共有でき、その姿がテストマーケティングの中で感じ取ってきた感覚と一致し、「このペルソナはこのシナリオ通りに必ず買う」というレベルになれないと、非常に危険です。
シナリオ作りは一晩で終わるような作業ですが、大抵のスタートアッパーがここで面倒さと捨てる恐怖に勝てずにこのユーザーシナリオの設計を曖昧な状態のままスキップします。
「売れるだろう」と思って盛大に組み立ててきた企画を全否定する勇気を持って、「売れないだろう」という視点で再度ユーザーの動きを設計してみることをオススメします。
そして、甘い部分が少しでもあれば、メンバー全員と共有をして、その部分を詰めることです。
その部分に対する明確な答えを誰も提示できないようであれば、勇気を持って積み上げたプランを根本から作り直しましょう。
ここでよくある失敗:リソースが集まらないというパターン
ここでよくある失敗を一つ紹介しておくと、上記で説明したユーザーシナリオに自信が無い状態のままリソースを集めようとしてしまうパターンです。
例えば、よくあるのが「プログラマーが集まらないから商品開発に進めない」という人です。
しかし、そういう場合は大抵は「ユーザーシナリオに絶対の自信が無い」という状態です。
自分がユーザーシナリオに絶対の自信が無いのに、「プログラマーに実際に作ってもらう」という部分は投資にあたると判断しているため、矛盾が発生して強いアクションに踏み切れていないだけなのです。
「わざわざ人に作ってもらったのに、全然誰も使わなかったらどうしよう」という無意識の思考があるせいで、強いオファーが出せないだけです。
集まらないのではなく、本気で集めていないわけですね。
自分もそうかも・・・と思った人は、是非「ユーザーシナリオ」を完璧に設計してみて、10人くらいに見せてみることをオススメします。そこに自信が持てれば、次のステージに進めるでしょう。
最重要KPIを決める
次に行うべきなのが、最重要KPIの設定です。
いわゆるマイルストーンに近いですが、数字を細かく設定するわけです。
ここで大切なのは、KPIに優先度を付けてメンバーで共有することです。
例えば、メディアを運営するならPV(ページビュー)数なのかUU(ユニークユーザー)数なのか。
WEBサービスならDAU(デイリーアクティブユーザー)なのかMAU(マンスリー)なのか。みたいな細かい違いです。
もちろん、売上なのか利益なのかも大切です。
両方大事、とかではなくて、どっちが大事かです。
これは何を言っているかというと、リソースを投下する優先順位を決めるということになります。
PV数を伸ばす施策とUU数を伸ばす施策は全く違ってきます。
それを曖昧にしていると、リソースを投下する順番を間違えてしまうのです。
売上を上げる施策と利益を上げる施策も違いますし、MAUとDAUでも全然違うわけですね。
このように、最重要KPIを設定することは、事業として何を優先するのかを明確にすることに繋がります。結果として、リソースの投下判断が揃います。
スタートアップやスモールビジネスは、基本は限られたリソースで勝負することになるため、「何をやるか」より「何をやらないか」のほうが大切です。
別の言い方をすると、「今、何をやるか」が最も重要であり、これを間違えると一瞬で財務が飛びます。
全ての指標をできるだけ細かく数値に置き換えて、それらの中で重要なものはどれかという優先順位を付けておきましょう。
ユーザーは離れる、スタッフは裏切る、想定外のことが起きるというつもりで計画を組む
KPIの優先順位が決まったら、短期の目標数値を決めるために最低でも1年後までの事業計画を組みましょう。
最重要のKPIから数字を決めていき、残りはそれにしたがって自然と決まっていくはずです。
この時にも、ユーザーは離れていくものだ、スタッフは集まらないし裏切るものだ、想定外のことが起きるものだ、という視点で計画をたてるのが大切です。
いわゆる行動計画や財務の遊びというやつですね。
歯車が3つくらい外れても、時計が止まらないような設計にしておきたいところです。まぁ、、、これは難しいですが。
店が入ってる建物に工事が入って、外観アピールができなくなるかもしれない。
看板を出せると言っていたところに、出せなくなるかもしれない。
スターティングメンバーが全く集まらないかもしれない。
これらの事態が起きた際に、どういったリカバリー策があるのか。
完璧に立てることはできませんが、常に最悪の事態を考えておき、その際のリカバリー策のイメージは持っておく必要があります。
運転資金や利益率でカバーできる部分と、リカバリー策の豊富さでカバーできる部分がありますので、両方意識するべきです。
まとめ
気付いたらバカみたいに長い記事になりましたね。
大きく言うと、メリハリに気をつけてね、という話です。
現実的なのはいいんだけど、風呂敷すら広げられずに意気消沈していくタイプ。
大風呂敷広げるのはいいけど、そのまんまの風呂敷で進んで風穴開けまくるタイプ。
その転換ポイントを意識して、メリハリのあるプランを組んでいきたいものです。
お互いに頑張りましょう。
今日は以上ですね。